食品に含まれる放射性セシウムの濃度、1ベクレル/kgは、例えば、1kgの食品を食べた時、放射能の摂取は1ベクレルとなりますので、実効線量(放射線影響量)にすると、0.021マイクロシーベルト(乳児)です。大人や高校生は、0.013マイクロシーベルトになります。大人の場合、1年間で、約410マイクロシーベルト、食品によって内部被ばくを受けています。これは、主として放射性カリウム40によるものです。
以前、バナナ1本、約15ベクレルということを御紹介しました。ビールは中ジョッキ2杯で10ベクレルくらいです。また、天然の放射線も人工の放射線も何の違いもなく、セシウムという元素は、栄養であるカリウムと同じくらいの化学毒性ということも御紹介しました。
1ベクレル/kgという数字は、多くの食品の場合、自然にある放射性カリウム40よりも、とても低い値です。食事を相当控えめにしても、1日あたり150ベクレルくらいを摂取しています。放射性カリウム40の実効線量換算係数は0.0062マイクロシーベルト/ベクレルですので、150ベクレルは、大人の場合、0.93マイクロシーベルトの放射線影響量となります。
そして、セシウムは、約70日で体から半分が出て行きます。5歳未満の子供は、大人の5倍の早さでセシウムが体の外に出されてしまいます。放射性セシウムの幼児、少年への影響は、大人の0.7倍です。子供だから、必ずしも影響を受けやすいとは限らないのが、難しいところです。
環境中には、放射性ヨウ素は、ほぼなくなりました。ヨウ素は、甲状腺ホルモンの原料ですから、甲状腺に集まり、放射性ヨウ素だと、甲状腺がんになる可能性が出てきます。セシウムは、甲状腺に集まるものではなく、筋肉に分散していきます。体には、がんになりやすい場所となりにくい場所があるのも事実です。