2011年12月1日木曜日

312 放射線と研究者に必要な態度

研究者が、研究をした成果を発表することは大切なことだと思っています。しかし、今回のような福島第一原子力発電所事故によって放出された放射性物質の状況については、その拡散状況の分析結果と推量を単純に発表するのではなく、研究成果発表のあり方に、生活者とのコミュニケーションが必要だということを強く意識することが大切だと思います。
各地における放射性セシウムによる汚染状況の研究発表でどれだけの人達が狼狽しているか、その事を考えながら、研究発表のあり方と活用を同時に考ることが必要だと思います。農家の方達と共に圃場を歩き、住民の方たちと会話をしてきた中で、今は、日頃の研究によって培われた研究力で、この難題を解決するための具体的支援が必要なのだと思っています。農作物の放射線検査や汚染状況の分析だけでなく、検査をしながら、なにが起こって、どう対応をして行くべきなのかを一緒に考えることが必要なのです。