2011年11月24日木曜日

307 被ばく限度の誤解と健康管理

お話しさせていただいている中で、被ばく限度についての誤解がありそうだと気がつきました。
一般に言われている被ばく限度は、一般公衆(放射線に関する作業をしない人たち)の場合は、1年間で1 mSv(ミリシーベルト)、つまり1000 μSv(マイクロシーベルト)です。でも、これは、被ばくの許容量(この線量を超えなければ障害を生じない)を示す値ではなく、あくまでも、日常生活において不要な被ばくをしないようにするために設定されている値なのです。この被ばく限度は、自然放射線による被ばく量、医療被ばくは含まれません。ちなみに、日本人の1年かの医療被ばくの平均は、2300マイクロシーベルトです。
被ばく限度は、1年で、1000マイクロシーベルトだから、365日で割って、1日あたり2.74マイクロシーベルトというように使える数値ではないので、注意が必要です。
食品における放射能濃度(ベクレル/kg)と食べた量から、摂取放射能量を計算し、そこから実効線量(シーベルト)に換算することができます。いろいろと食べるのだから、一つの食品からのデータでは、評価ができないと思われるようですが、現在、発表されている食品の放射能濃度(暫定規制値以下でも公表されているものもあります)から、自分がどのくらい摂取したかを見積もり、実効線量を計算できますので、これを健康管理に役立てることが大切なことだと思います。
もっとも、流通している食品のうち、放射性セシウムが検出(暫定規制値以下)されている品目はわずかです。
外部被ばくについては、電子ポケット線量計(携帯電話のそばにはおかないこと)を使って、実測されるのがいいと思います。