ICRPによる被ばく限度の数値が、じっさいのところ何を根拠にしているのかがよく分からないところがありますが、初期の頃は、とりあえず、長期被ばくしても耐えうる線量ということで設定されていたようです。1954年以前は、被ばくをする人は限られた人だけでしたが、放射線利用が増える事によって、1954年から一般にも防護の対象が広げられました。1958年には、5 mSv / 年になり、1985年に1 mSv / 年となったようです。放射線作業者の場合は、1958年の勧告である最大許容線量50 mSv / 年(19歳位)から1985年の勧告まで、50 mSv / 年と、変更ありませんでしたが、1990年のPublication 60において、100 mSv / 5年、50 mSv / 年となり、現在に至っています。(辻本 忠/草間朋子 共著、放射線防護の基礎から)
ただし、1977年からは、As Low As Reasonably Achievable (ALARA)ということで、社会的、経済的要因を考慮してできるだけ低くするというようになっています。