この夏、フライフィシングを通して自然を見ることの楽しさを若い人たちに経験してほしくて、山形県寒河江川の大井沢に出かけました。過日、このブログでも御紹介しました、故”志田忠昭さん”は、若い人たちが興味を持ってくれて定着してくれるといいですねと、語っておられました。そして、今日は、あの場所に魚がいるからと、ポイントを教えてくださいました。なにしろ、フライロッドはおろか魚釣りさえしたことのない初心者集団ですが、志田さんは、そのポイントにおられた御友人のE先生に面倒みてくれませんかと電話をかけてくださり、その日の夕方は、E先生のコーチで楽しむことができました。その様を見ておられた志田さんは、本当に幸せそうな顔をされておられましたのが印象的でした。
まったくの初心者である彼らが魚を釣ることができた時は、自分で釣っているときとは次元の異なる喜びを感じるものがあります。アメリカの釣りガイドは、お客さんの代わりにフライロッドを振って、魚が釣れたら、お客さんにロッドを手渡すというようなことは、ほとんどありません。魚釣り、特に、フライフィシングは、毛針を流れに送り込み、魚と対話する事によって、なにか一つの物語を完成させるものだからなのでしょう。案内とは、御紹介することで、他の人に成果をあげてもらうことなんだなと、あらためて感じましたし、人の成功を自分の喜びに変えられることとも、思いました。
山形に一緒に行き、釣りを、フライフィッシングを初めて体験した若者は、「フライフィッシングは、自然との対話なんですね」と核心をついた感想を漏らしていました。自然の中に身を投じ、そして素晴らしい人達との出会いの賜物です。