2011年11月24日木曜日

305 放射性物質のスクリーニング観

最近、生活における放射性物質の存在を確かめるスクリーニングが、いろいろなところで行なわれつつあります。本来、スクリーニングは、ある基準値を逸脱しなければ、それは合格とするのですが、いまの放射性物質スクリーニングは、すこし風変わりな様相を呈しています。
つまり、スクリーニングにおいて、ある放射能量を超えると、さらに精密に測定するということです。基準値を逸脱したのだから、その時点で不合格とするのが普通なのですが、なぜか、そのようになっていないのです。放射能量が低いほうがいいという観点からすると、ある放射能量を超えるものは、すべて不合格とし、むしろ、超えないものや、装置の性能によって検出が難しいものを分析方法を変えて精密に調べるという考え方をする方が自然なのですが。
その次のステップとしては、自然に含まれる放射性物質の濃度と対比することも必要なのですが、どうも、放射能量の計測における数値の取扱とその意味の理解が、難しい状況のようです。
やっぱり、スクリーニングは、ある放射能量以下は、問題ないとするということでいいのではないでしょうか。そして、その放射能量は、一義的に決められたものを絶対視するのではなく、私達が、普段から自然放射線からうけている被ばく量をガイドラインとして、個人でその許容量を考えることも必要なのではと思います。