科学では、新しい実験事実あるいは理論的予測をみつけたときに、論文にし、広く意見を求めるために公開します。これは、発見というものは別のかたちで実証されるか反証され、より客観的な人類の知的財産として共有される必要があるからです。反証されたものは、さらにその反証を行なうことで、より正しい理解に進みます。
このことは、科学においてのみ成立する論理ではなく、広く、人間社会において適用され、必要なことなのです。反証が出てきたときに、さらにその反証を見いだす行動をとる時、クリエィティブというものが出現します。その反対にあるのが、権威という象徴です。そして、実証と反証を繰り返し、より合理的で受け入れやすい考えや表現に到達するためには、ディベートをする力が必要なのです。ディベートをすることなく、創造的なものは出現しないのです。絶対的価値観は、権威を必要としますが、相対的価値観は、ディベートにより、創造というものをもたらすのではと思います。