基礎研究は、人間の知的財産の礎であり、人間の知りたという欲求に応えるものである事には、間違いがないところです。震災以降、原子力発電所の事故による放射性物質の吐出があり、農作物関係での放射線計測のお手伝いをしてきました。研究室での基礎研究のアプローチ、考え方、展開、課題解決は、社会的な行動と大きな差はありませんが、学生さん達の頭の中で別の様式として整理されるようです。活動には、大学院生達が頼もしく取り組んでくれています。そして、この大学院生達には、どうやら、なにかの「気づき」があったみたいです。それは、日頃の基礎研究や大学での学びが、社会において、活用できる科学的知識と行動とにリンクしている、あるいは、させることができるという「気づき」のようです。つまり、「社会的な科学」に気がついているみたいです(かく言う私も、ここにきて気がつきはじめたかなという感じですが)。災害は、多くの人々に大変な状況を与え、本当に胸が痛みますが、新しい日本をつくる若者達の成長を促しはじめていることも実感できるような気がします。その若い人たちに、勇気づけられながら、これまでの基礎研究との二足のわらじをはいて、がんばりたいと思います。学生さん達にも、履けるわらじは、何足でもはいてみる方がいいと説くこのごろです。